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ロコモティブ・シンドロームと健美操
今や新しい国民病として言われ始めた「ロコモ」
日本整形外科学界では、運動器官の障害による要介護の状態や、
要介護リスクの高い状態を表す新しい言葉として
「ロコモシンドローム」「ロコモ」を提唱し、
和文は「運動器症候群」としました。
Locomotive(ロコモティブ)は「運動の」の意味で機関車という意味もあり、
能動的な意味合いを持つ言葉です。
運動器は健康の根幹部分、
年をとっても運動器を長く使い続ける為の新しい概念として
「ロコモ」という言葉が使われるようになりました。
「年齢」に否定的なイメージを持ち込まれないようにと選ばれたものです。
日本は世界の中でも、高齢化社会を迎え、平均寿命は80歳になっています。
これに伴い運動器の障害も増えています。
ロコモの原因(運動器の障害の原因)は大きく分けて2つあります。
運動器自体の疾患(筋骨格運動器系)
加齢に伴う変形性関節症・骨粗しょう症
→円背・骨折・変形型脊髄症・脊柱管狭窄症
関節リウマチ→痛み・可動域の減少・筋力低下
⇒バランス能力・体力・移動能力の低下
加齢による運動器機能不全
筋力低下、持久力低下、反応時間の遅れ、
運動の速度低下(動作がゆっくりになる)バランス能力の低下などがあげられ、
運動不足になると
「筋力」「バランス能力の低下」と合いまり「運動器機能の低下」が起こり、
転倒しやすくなります。
50歳以上になると、筋力の低下が著しくなります。
筋肉の重量は、成人で体重の約40%(50kgの場合、20kg)に達します。
個人差はありますが、年齢と筋肉量の変化について、
40歳から年に0.5%ずつ減少し、65歳以降には減少率が増大され、
最終的に80歳までに30%から40%低下がみられるといわれています。
それに対して、加齢による筋力の変化は筋肉量の変化より遅れて、50歳まで維持され、
50歳から70歳では10年間に15%ずつ減少するといわれています。
筋肉は、加齢と共に筋肉を構成する筋繊維数の減少と、
筋繊維自体が萎縮してしまうことによる、筋肉量の低下がみられます。
加齢による筋変化は、
筋繊維自体の変化よりは、筋肉量の減少が主で、加齢に伴う筋力低下の本質は筋萎縮です。
以上の要因が重なりあうと、バランス能力・体力・移動能力の低下により、
立って歩く・衣料の着脱・トイレなど、日常生活の最低限の動作も自立できなくなってしまいます。
階段の上がり下がりに手すりを使ったり、壁などに身体を寄りかかり、
靴下を履くなど、支えがないと出来ない常態になります。
長寿国民が「要介護状態」にならないために、真剣に取り組みをしなくてはいけなくなってきました。
ロコモ対策には、なんと言っても「健美操」です。
安全で、骨や筋肉を簡単に強化することが出来ます。
いちばんのオススメは「片足立ち」健美操のプログラムに入ってますね。
この片足立ちバランス運動は、人間が1番先に衰えをみせる平衡力を養います。
両足立ちに対して3倍の負荷がかかるため、脚の筋力、骨盤周辺の臀部・要部の筋肉の強化となります。
又、股関節から身体の重さを利用し加圧効果があり、骨祖しょう症の防止にも役立ちます。
脚力がつき、骨が強化されることにより、転倒・骨折の防止に効果的です。
股関節痛・背中・腰の痛みの改善に大変役立ちます。
人間は歩く動物です。つまり片足になる時間がないと移動が出来ないわけですが、
片足で立てるようになると、動作がスムーズになり、移動が楽になってきます。
2番目のオススメは、姿勢をつくる筋肉を強化する事です。
要するにうなじを伸ばして、頭頂部を天井に引き上げるように立ってみる。
重力に抵抗して生きているのが立って歩く人間の健康の基本。
「寝たきり」にならない為に抗重力筋=姿勢をつくる筋肉をつけていく事が、立って歩いて行くのに重要となってきます。
健美操プログラムの目的は、正しい姿勢つくり。
見た目が美しいという事は、健康体の証拠です。
内臓の位置も姿勢をつくる筋肉の力で引き上げられるので、下垂を防止できたり、胸部を開けることで、呼吸器の働きが良くなったり、姿勢筋により、内臓の働きも高まります。
健美操により大地を踏み、身体を押し上げる力をつけ、
脊柱を引き上げる背部の(背筋)姿勢筋を作り上げていきましょう。
「美しい姿勢を作る」
基本となる立ち方
内くるぶし側で大地を押すように拇趾に力を入れて重心を安定させて、
骨盤周辺の筋肉に力を入れて見ましょう。
健美操には、
ロコモシンドロームにならない為の運動療法エッセンスがたっぷりと含まれています。
日常生活の中に(歯磨きやお台所にいる時など)、
そのエッセンスを取り入れて、ちょっとした時間に片足立ちをしてみましょう。
駅のホームや電車の中で、じっと立つ時には、
内くるぶし側に力を入れて、背中を伸ばして立ってみる。
頭頂部を天井に向けるイメージをしてみる。
など、試してみてください。
私達の身体は、毎日の小さな努力の積み重ねで健康をつくり出せるものなのです。
「落ちるのは早い。戻すのは時間がかかる」
でも、あきらめないで。
自分の身体は自分でしか良くしてあげられません。
大切に筋肉を作り上げて下さい。
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